キラめく堕天使

 サッと耳元を見た。

 けれど、そこからは血が流れ出ているだけで、探しているピアスはなかった。

 血が流れ出している。

ということは、誰かにピアスを強引に引きちぎられたのかもしれない。

 そう思って視線を這わせると、彼女は見るからに蒼ざめて、唇の色もない。

 オレの放っている光が淡い紫だから、そう見えるわけではないようだった。

 だって、彼女の横たわっている浅い水は、淡い赤に染まっている。

 どこからか血を流しているのだ。

 やっぱり、死んでいるのかもしれない。

 そう思ったとき、彼女はふっと呼気を吐いた。

 生きている。

 おまけに薄っすらと目を開いた。

 淡い色の瞳。

 灰色の目が、アメシスの放つ光に照らされているのだ。

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