キラめく堕天使

 緑色の、血が、噴水のように噴出した。

 オレはそれを見ないように、エレナに手を差し出した。

エレナにそれを見せたくなかったが、この、純粋無垢なハズのお嬢さんは、無感情に、いっそ、面白そうな表情さえ浮べてそれを見ながら、そこを通り過ぎた。

この道を守護しているゴブリンは二人だけだったらしい。

あとはぬるぬるしている上向きのトンネルを攻略していくだけでよかった。

時々振り返ってエレナの手を引いてやる。

そうしているうちに、先の方に、意外にも明りが見えてきた。

それは近づくにつれて大きくなり、洞窟の、終わりを見せていた。

オレは岩壁に囲まれた世界から抜け出して、まぶしい光に満ちた空を、不思議な思いで見上げた。

大きな月が、色を失って傍にある。

けれど、その遥か上方を、太陽が照らしているのだ。

まだ、柔らかい日差し。

魔界の、朝、なのだろう。

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