キラめく堕天使
 オレは、枝にぶら下がると、キレイに片付いて、血の跡が少し、赤黒く残っているだけの砂地に着地した。

 オレは、森の出口に向かって急いだ。

 ぽかりと口を開けた出口はだんだん大きくなり、オレはそこをくぐりぬけた。

 木の枝の作ったトンネルから抜け出すと、そこにはごつごつとした巨大な黒い岩が横たわっていた。

 その脇を通り抜けると、岩の間に獣道のように細い道が続いているのがわかった。

 道がある。ということは、ここを通る何者かもいる、ってことか。

 確かここは低級魔族が棲むところ。

 さっきのやつらよりずっと手ごわい相手なんだろう。

 脇にそびえる岩に手をかけながら、僅かに出来た小道を歩いて行った。

 と、急に視界が開けた。

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