キラめく堕天使
別の個体が、オレの意識とはまるで関係なく、この体の中に一緒に存在しているようだった。

 体は、ぼーっとしているオレよりも、そいつのいうコトをきいた。

 忠実に。

 オレは完全に傍観者だった。

 フィックスは、ほとんど知能がないとルナは言っていたけれど、さっきオレの中にいたヤツからは、少なくとも人間と同じくらいの知性は感じた。

 けれど、今はそいつの意識を探ろうとしても、そいつは何も語りかけて来なかった。

 まるで一瞬にして眠りについたようだった。

 しかし、あれだけの知能と、戦う力をもっていながら、何でみすみすオレなんかに体を奪わせておくんだろう。

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