君のとなり
部屋に入って、枕を口元に当てて何度も好きって呟いた。
そうすることしかできない自分に苦笑いだけど。
まあ、仕方ないか……。
「……悠ちゃん…」
ため息まじりに名前を呟く。
「……呼んだ?」
ドア越しに、でもハッキリと聞こえてきた声にドキッとした。
ゆっくりドアを開けると、俯き加減に悠ちゃんが立っていた。
「悠ちゃん……」
「泣いてるんじゃないかと思って。」
フッと笑うと、アタシの頭をくしゃくしゃと撫でた。