雨に恋した華
朝食を済ませた後、いつもの天気予報を観ながらある事を思い出した。


「ママ!」


「何?」


あたしがママを呼ぶと、キッチンにいたママが小首を傾げた。


「あたし、今日はちょっとだけ遅くなるから」


「えっ?どこか行くの?」


「うん。ちょっとね」


「でも……今日はお祝いするし、パパも早く帰って来るよ?」


少しだけ不服そうに眉を寄せたママに、夕食の時間までには必ず帰って来ると約束をした後、支度を済ませてから家を出た。


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