雨に恋した華
「じゃあ……ありがとうございました」


あたしは、公園の前で車を停めてくれた虹希さんにお礼を言って、ドアに手を掛けた。


その瞬間、彼はあたしの手を制するように握って口を開いた。


「知りたい?」


「え……?」


手を握られている事に戸惑って、質問の意味が理解出来ない。


必死に理解しようとしても、虹希さんに触れられている場所から熱を帯びていくせいで、何も考えられなかった。


そんなあたしの様子を見ていた彼は、パッと手を離した。


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