雨に恋した華
教室に戻ると、クラスメイト達が片付けをしていた。


準備をしている時から今日までは、あんなにも盛り上がっていたのに…


文化祭が終わった今は、ガランとした教室内がすごく寂しく感じる。


片付けなんてする気分にはなれないけど、何もしないで勝手に帰る訳にもいかない。


今にも溢れ出しそうな涙を堪えながら、重い体を必死に動かした。


「あっ!ねぇねぇ、樋口さん!」


しばらくしてクラスメイトの一人に呼ばれたあたしは、ハッと我に返って顔を上げた。


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