グリンダムの王族
リズはカインに向き直ると、

「もう少しだけ、、、。お願いします、、、。
お皿洗い終わったら、部屋に戻りますから」

と、懇願した。

中途半端に仕事を放り出すのはなんだか気持ちが悪かった。
折角任せてもらえたのに、、、。

「、、、そんなに働きたいのか?」

カインの問いかけに、リズはコクリと頷いた。

「お仕事しているのが、好きなんです。家事は特に、得意なので、、、。
ここへ来てからお世話してもらうばかりで、全然お役に立てていなかったし、、、」

必死で説明するリズに、カインは困ったような笑みを漏らした。
その顔にリズは言葉を止め、俯いた。
なんだかまた我侭を言った気がする。

「、、、分かった」

カインはリズの腕を離し、軽くため息をついた。「好きにしな」

諦めたようにそう言ったカインの顔を見ることもできず、「すみません、、、」と小さく呟く。

「謝らなくていいから、もうちょっと嬉しそうな顔してみせろ」

その言葉に、リズは顔を上げた。
カインが自分を見ている。その目を真っ直ぐ見つめながら、口を開いた。

謝るより先に、もっと言わなければいけないことがあったと思いながら。

「―――とっても嬉しいです。
ありがとうございます」

カインがふっと笑みを浮かべる。そんな表情にホッとして、リズも自然と笑顔になった。

「やっと笑った」
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