グリンダムの王族
その質問にリズは困ったように黙り込んだ。

カインは答えないリズから目を逸らすと、ふと視線を彼女の後ろに向けた。
そこには大量の洗い物が積んである。
リズはカインの視線に気づくと、それを追うように振り返った。
そして改めてカインに向き直る。カインも不思議そうな顔でリズを見ていた。

「、、、お皿を洗ってました」

「、、、は?」

カインが呆気に取られた様な顔になる。
その反応は無理もない。リズは眉を下げて俯くと、たどたどしく口を開いた。

「すみません、、、。なんだか楽しくて、、、。
夢中になってしまって、、、」

リズの言葉にカインは意外そうに「楽しいのか?」と聞いた。

リズが小さく頷く。カインは、「へぇ、、、」と言いながら、リズのお下げに結った髪に触れた。そしてちょっと笑った。

「似合ってるな、これ」

リズはちょっと赤くなった。
カインの目が再び周りを見る。
仕事中だった者達が全員手をとめて跪いている。その状況に、苦笑した。

「もういいだろ。俺が居ると仕事にならない。戻るぞ」

カインはそう言って、リズの手を引いた。

「あ、でも、、、まだ洗い物が」

慌てたようなリズの言葉に、カインは足を止めて彼女を見た。

「お前の仕事じゃないだろ」

「でも、あの、、、」

リズは言いながらララを振り返る。ララは跪きつつも、顔を上げてリズを見ていた。
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