グリンダムの王族
「ラルフはあなたを次期近衛騎士隊長にと考えていると思う。
そうなったらよろしくね。
あんまり可愛くない人だけど、、、。」

アランがちょっと笑った。

「ギルバートも居るので分かりませんが、そう言って頂けるのは光栄です。
ありがとうございます」

そう言ってセシルの体を包み込むように抱き返す。

セシルは少し間をおいてから、アランから体を離した。
そして彼を見つめて、微笑んだ。

「ギルバートにはならないわ。
私あの人に興味沸かなかったもの」

セシルの言葉にアランも微笑むと、また彼女を抱きしめた。
アランの暖かさを感じながら、セシルは目を閉じた。

「アラン、、、」

「はい」

「今夜は部屋に戻らないで」

「かしこまりました」

あくまで従順な態度に、セシルは思わず苦笑した。
そして目を閉じたまま、「命令じゃないんだから、断ってもいいわよ」と言った。

「はい。断りたいときは断ります」

アランの落ち着いた声が聞こえる。セシルはその言葉にぱちっと目を開けた。

「じゃ、帰って」

アランはクスッと笑うと、セシルの体を離した。
そしていつもと同じ穏やかな目で、じっとセシルを見つめる。
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