グリンダムの王族
明るい日の光の中、ゴード王国の上空を大きな鷲が旋回していた。
その下には黒い石造りの巨大な王城が聳え立っている。
鷲はやがて高度を下げ、迷いなく城に近づいていく。
そして城の中にある小さな小屋の上に舞い降りた。そこに置きつき、立派な翼を畳む。
それに気づいた男が小屋の側に来た。そして口笛を鳴らす。
鷲はそれに応えるように、再び翼を広げた。
そして男のもとへと飛んで行った。
男は自分の腕に鷲を止まらせると、その足に付けてある書簡を慣れた手つきで開けた。
中から丸まった小さな紙を取り出す。
それを見ながら、男は城の方へと歩き出した。
「ギルバードから報告がありました」
ゴード王国のガルバ王のもとに、将軍から報告が入った。
ガルバは王は40を超えているが、その目はまだ鋭気に満ちている。
強いクセのある黒髪と黒髭が、彼の迫力を増している。
獰猛な獣を思わせる男だった。
ガルバ王は将軍の言葉に、「なんと言っている」と問いかけた。
「グリンダムの王妹とファラントの王子の婚姻が決定し、
間もなく王子はファラントに旅立つとのことです。
王弟も婚儀に参列するため、やがて国を離れるとのことです」
「ふん、、、」
王は鼻で笑った。
「王妹と王弟が居なくなったところで、あいつはまだ王に近寄れる立場にない」
将軍は頷く。
「そのとおりですが、わずか3年の間に近衛騎士隊の騎士となっております。
現在の隊長が退役した際には、ギルバードが近衛騎士隊長となる可能性が高いと聞いております。」
王は特に表情を変えることなく、「早くそうなることだな」と言った。
将軍はそれ以上何も言わなかった。報告を終えたという意味で頭を下げると、王の部屋を退出した。
ガルバ王はそれを見届けると、目を宙に向けた。
その下には黒い石造りの巨大な王城が聳え立っている。
鷲はやがて高度を下げ、迷いなく城に近づいていく。
そして城の中にある小さな小屋の上に舞い降りた。そこに置きつき、立派な翼を畳む。
それに気づいた男が小屋の側に来た。そして口笛を鳴らす。
鷲はそれに応えるように、再び翼を広げた。
そして男のもとへと飛んで行った。
男は自分の腕に鷲を止まらせると、その足に付けてある書簡を慣れた手つきで開けた。
中から丸まった小さな紙を取り出す。
それを見ながら、男は城の方へと歩き出した。
「ギルバードから報告がありました」
ゴード王国のガルバ王のもとに、将軍から報告が入った。
ガルバは王は40を超えているが、その目はまだ鋭気に満ちている。
強いクセのある黒髪と黒髭が、彼の迫力を増している。
獰猛な獣を思わせる男だった。
ガルバ王は将軍の言葉に、「なんと言っている」と問いかけた。
「グリンダムの王妹とファラントの王子の婚姻が決定し、
間もなく王子はファラントに旅立つとのことです。
王弟も婚儀に参列するため、やがて国を離れるとのことです」
「ふん、、、」
王は鼻で笑った。
「王妹と王弟が居なくなったところで、あいつはまだ王に近寄れる立場にない」
将軍は頷く。
「そのとおりですが、わずか3年の間に近衛騎士隊の騎士となっております。
現在の隊長が退役した際には、ギルバードが近衛騎士隊長となる可能性が高いと聞いております。」
王は特に表情を変えることなく、「早くそうなることだな」と言った。
将軍はそれ以上何も言わなかった。報告を終えたという意味で頭を下げると、王の部屋を退出した。
ガルバ王はそれを見届けると、目を宙に向けた。