グリンダムの王族
ガルバ王が王位を継いでから10年、ゴード王国はもちまえの軍事力を活かして領土を着実に広げている。

今やゴードは近隣の国々にとって脅威の存在となっている。
そのゴードにとって”目の上のたんこぶ”なのがグリンダム王国である。
ガルバはキスギルを征服したのを機に、グリンダムへの侵略も視野に入れ始めた。

しかし戦力で言えば互角、またはグリンダムに劣ると思われる現在は、戦いをしかけるには早い。

そのためガルバはゴードの優秀な騎士をキスギルからの亡命者という名目でグリンダムに送り込んだ。

戦いをしかけるのは外側からだけとは限らない。
まずは敵の懐深く入り込む。
事はガルバの思惑通りに進みつつある。
ギルバードは着実に王に近づいている。

グリンダムは現在の王さえ消えれば、指揮者を失い簡単に壊せるだろう。
王弟はまだ若く、統率力には欠けるという話だ。

ガルバは世界を征服する未来に思いを馳せ、口元にゆったりと笑みを浮かべた。

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