グリンダムの王族
その頃、日暮れを迎えた城の裏庭に、人影が動いていた。

赤毛の騎士ギルバードはいつもの場所に1人で来ていた。
木の枝に彼の鷲が止まっている。

ギルバードはそれを確認すると、口笛を吹いた。
鷲がそれに反応して、彼の腕へと舞い降りる。

鷲の足にはいつもの通りに手紙が付けられている。
ギルバードは手早く手紙を確認した。

”近衛騎士隊長に昇格すべし”

実に簡単な内容だった。

だがその意味は伝わる。近衛騎士隊長は王に1対1での謁見が叶う地位である。
まずはその地位を手に入れろということらしい。

ギルバードは口元に笑みを浮かべる。

そして小さく、「了解」と呟いた。
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