グリンダムの王族
グリンダム王国では、カインがラルフに呼び出されていた。

「ファラントの鉱山の件、会談を開くことになる。
お前、行って来てくれ」

ラルフは申し出たばかりの会談をすでに決定事項のように弟に伝える。
カインは頷いて応えた。

「どういう話にする?」

「、、、そうだな。こちらで全て掘って、製錬までするということにしよう。
その後一部をファラントに戻す。
その割合はどのくらいがいいだろうかと聞いてくれ」

兄の答えにカインは思わず苦笑した。

「あちらが多く言えるわけがない、、、」

ラルフはふっと微笑んだ。

「同行させるのは、アランでいい」

カインは少し目を丸くしたが、「まぁ、ジョルジュが居ないんじゃ、そうなるか、、、」と納得したように呟いた。

「それなら早くアランを近衛騎士隊長に指名してくれ」

ラルフは首を振った。

「それは後だ。それに次期隊長はアランじゃない」

カインはその言葉に、驚いたように「なんで?!」と声をあげた。

「その話は後だ。今時期を見てるところなんだ」

「、、、時期??」

カインは兄の言葉の意味が分からず、不思議顔で首を傾げていた。
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