グリンダムの王族
やがて食事が終わると、ラルフはセシルに、

「セシル、クリス王子と遠乗りにでも行ってくればいい」

と提案した。

「カイン、お前は今日は議会に出ろ」

「了解」

セシルは立ち上がると、

「それじゃ、クリス王子。
こちらへどうぞ」

と言ってクリスを先導して歩き出した。

クリスは連れられるままに外に出たが、
正直セシルと一緒にどこかへ行く気分ではなかった。

ふと前を歩いていたセシルが、足を止めて振り返る。

「、、、ねぇ。
仲良くなるのは、結婚してからでいいわよね」

セシルの言葉に、クリスはちょっと呆気に取られた。

セシルはにっこり笑うと、

「私、やりたいことあるから。じゃねっ」

と言ってクリスの返事も聞かずに足早に去っていった。


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