グリンダムの王族
やがてゆっくりと唇が離れた。

クリスの目が開かれる。目を見開いたままのセシルを真っ直ぐ見つめた。


「―――好きだ」


「えぇぇ!!」


すっとんきょうな声をあげたセシルを、クリスは改めて抱き締めた。

「好きだ、、、」

耳元で囁く。セシルはクリスに抱き締められたまま、「やめてよ、、、」と呟いた。

「いやだ。好きだ」

同じ言葉をただ繰り返すクリスに、セシルは呆然としたまましばらく動けなかった。
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