グリンダムの王族
第4章

新近衛騎士隊長

グリンダム王国でも、一見平穏な日々が流れていた。
けれどもその内側では、ゴードの陰謀を暴くための次の手が密かに始まっていた。

ファラントとの会談が無事終えた後、ラルフはカインにギルバードの疑惑について話した。
カインはその話を聞きながら、眉をひそめた。

「、、、でも、山賊は全滅なんだよな?自分の仲間を殺したってことか?」

「充分に有り得る」

ラルフが応える。
カインは何も言わずにしばらく考えているようだったが、不意に顔を上げると、

「で、、、?」

と言った。ラルフが「ん?」と聞き返す。

「ギルバードが何かを企んでいたとして、これからどうする?」

カインの質問にラルフはふっと笑みを浮かべた。

「目的を確かめる。ギルバードの背後に居る者を探る」

「背後に居る者、、、」

カインはそう呟くと、「どうやって探る?」と聞いた。
ラルフはカインの質問攻めに苦笑した。

「お前ならどうする」

カインは兄からの問いかけに少し沈黙した。口元に手を当て、じっと考え込む。

「、、、ギルバードがそいつと接触するのを待つしかない」

「まぁ、そうだな」

弟の答えにラルフは頷いた。

「だからとりあえず接触する理由を作ってやる。
あいつは今まで3年間一切怪しい行動は無かったのに、今回ずいぶん突然動いた。
ジョルジュを消すことで近衛騎士隊長の座を空けたのは、そこに自分が座るためと考えられる」
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