グリンダムの王族
セシルの唇が、クリスの唇に優しく触れた。少しの間をおいて、ゆっくり離れる。
セシルはそっと目を開いた。

クリスがセシルを見ている。
その目から、ゆっくり涙がこぼれて落ちた。
クリスは慌てて顔を伏せると、セシルを抱きしめた。
その涙を隠そうとするかのように。

「本当に、好きなんだよ、、、」

耳元で囁いた声は、少し震えていた。

「うん、分かった」

セシルが応える。

―――ちゃんと向き合ってみよう。

そう思った。

相変わらず、子供っぽいけど。
泣き虫で、男らしいところは全然ないけど。

セシルはかつてリズが言っていた言葉を思い出す。

”純粋な人です、、、”

セシルはクリスの背中に手をまわして抱き返しながら、

―――ほんとだね、、、。

と、心の中で呟いていた。
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