噂の5人は謎多し!?
「――本来はこんな所見られたら見た奴を殺さねぇといけねぇんだけど……。さすがに涼輔を殺すなんて俺無理だよ……」
嬰治は悲しそうな表情で呟いた。涼輔は勇気を振り絞って嬰治に聞いた。
「嬰治……。お前は一体何者なんだよ……?さっきルシオスとか言ってたけど……」
「――その言葉通りだ。俺はルシオスの1人なんだ……。ごめん……黙っててさ……」
「別に謝んなくてもいいよ!だって……俺も、嬰治に言ってない事とかあるしさ……」
「言ってないこと?」
嬰治の返答に涼輔は真剣な表情で静かに頷いた。
嬰治はもう自分の正体はもうバレてしまった。もう何を言われても大丈夫だと思った。だが、涼輔の言葉にそれは一気に吹き飛ばされた。
「――俺実は7歳の頃から8歳までの記憶がないんだ……」
「記憶がない……?何で……?」
「俺も分かんない……ただ1つ分かってる事は7歳の頃に黒いスーツを着た人達に誘拐されて、8歳の時に救出された事……」
涼輔の言葉によって嬰治の昔の記憶が思い出された。