男子、恋をする

さっきから君原妹のことばっかり……何だっていうんだよ。


いい加減ウンザリして溜め息混じりに出口の方に目をやれば、小走りに寿梨が体育館から出ていく寿梨が見えた。



「何やってんの澪斗。さっさと行って来いって」


「イテッ! 何すんだ……」


「鮎花姐連れて戻るまで出入り禁止! ほら行けッ!」


「グェッ!」



走って来た勢いのまま俺の後ろに回り込んだ那津に背中を突き飛ばされる。
肺の裏側辺りをピンポイントで押されて思わずカエルの鳴き声みたいな声が漏れた。


なんつーか、今日はやたら背中を押される日だ……。


「な、那津! オイッ!」

あれよあれよ再び。
慌てて振り返った時にはもう那津の姿は体育館の扉を隔てた向こう側だった。


またしても無理矢理追い出されてしまった……短時間に2回も。



君原妹のところに行けの一点張りで全く理解不能。


まぁ、さすがに休憩時間が終われば体育館には戻れるだろうし……このまま適当に時間を潰すか。


って思ったけど、何となく寿梨が小走りに向かった先が気になる。


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