男子、恋をする

若干膝の震え始めた俺の淡い希望は、


「寿梨の目はごまかせなかったみたいね」


全てを肯定する君原妹の言葉で粉々に打ち砕かれた。


どうやら冗談でもドッキリでも無い……。
紛れも無い事実のようだ。


まさか……君原妹が俺を……。
散々にイジり倒されてきたせいでアイツへの警戒心や苦手意識こそあれど、ポジティブな感情なんて皆無だ。


第一……仮にもあれが惚れた相手にとるべき態度なんだろうか。
甚だ疑問だ。


そんな俺の心の声が聞こえたかのように、


「大城くんの動揺した顔が可愛くてついイジり過ぎたみたい」


呟いた後に聞こえた自嘲したように短い笑いが聞こえた。


可愛い……。
この眉目秀麗文武両道な優等生を可愛いって……。


どうやら君原妹が俺を好きになった要素は模範生な部分ではなかったようだ。


嘆かわしい状況に壁に手をついてどうにか平常心を保とうと深く息をする。


萎むな、俺の模範生徒としてのレーゾンデートル!


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