男子、恋をする
確かに、ござるござるのチャンバラごっこは……ウケないよな。
俺だってそんなダサいのは願い下げだし。
それに、いくら俺が何でもこなす模範生だからって立ち回りなんて出来ねーし。
「じゃあどうするんだ。練習が一向に進まない」
またふりだしに戻るで、さすがの会長も若干苛立ち始めている。
そしてまた、唸り声を上げる乙部がチラリとこちらを見た。
そして、
「そうだ! 猿渡くんがヒロインしたら良いじゃん! そしたら女の子の反感買わないし」
「はぁっ!?」
これは名案だと言わんばかりに、声高に叫ぶもんだから神経を疑う。
その場に居た全員が同じタイミングで顔を思いっきり歪めた。
「猿渡くんなら顔も可愛い系だしイケるよ!」
「ヤダよ俺ー。だったらクールビューティーの会長がやったら良いじゃん」
「却下だ」
俺だってヤダよ……。
身長180センチ近い女装男とほとんど変わらん男の恋愛劇は、それはただの新喜劇だ。
かといって、いくら女装がイケたとしても那津相手に恋愛劇ってのも……考えただけでめちゃくちゃ寒い。