男子、恋をする
「だったらどうすれば良いっていうのよー!」
痺れを切らして叫びだした乙部。
……そんなのがわかってれば誰も苦労してないっての。
また膠着し始めた生徒会室の空気が淀んでる。
もうこうなったら、華奢で女顔の男子にカツラでも被せるか、はたまたござるござるでサムライになるか……。
また乙部の唸り声だけが響く部屋で、
「あ、あの」
「えっ? あっ!」
絞り出すように震えた声がして、全員の視線がそちらに向いた。
「ジュリエットちゃん! やっほー」
「寿梨! どうかしたのー?」
乙部が駆け寄った先にはいつの間にか扉の前で突っ立ってる寿梨が居て、相変わらず俯き気味で床とにらめっこしてた。
何が嬉しいのか、ニカニカと笑った隣の那津が手を振って、寿梨は遠慮がちに会釈してる。
「あの、何度もノックしたんだけど……聞こえてないみたいだったから……」
「構わない。それで? 何か用事だろ?」
乙部に続いて歩み寄った会長に、寿梨は手に持っていたプリントをおずおずと差し出した。