男子、恋をする
本当は寿梨の教室での様子も伺いたかったとこだけど、多分廊下で留まっていたら女子のグループに囲まれてしまうだろう。
そしたらもう、寿梨の観察どころではなくなってしまう。
それに、初対面の時に少しばかり(?)脅したコトを根に持ってるらしく、寿梨は俺を見たら即顔も体もカチカチに強ばらせる。
そのくらい嫌われてる……癪な話だけど。
今日の朝だってそうだった。
バカ那津にも驚きはしてたけど、目を逸らしたり俯いたりはしない。
なのに俺を見つけた途端、オバケでも見たような顔で視線を泳がせてた。
バカ那津ですら普通の癖に……全く面白くない話だ。
授業は二限目。
ただ一方的に喋りまくる公民の授業は退屈この上ない。
それを適当に聞き流しながら、気付けばそんなコトを考えていた自分にハッとした。
違う違う。
別に寿梨のコトを考えていたワケじゃない。
あまりにもこの授業が退屈過ぎるから、ちょっとくだらないコトを考えてしまっただけで……。
……誰に言い訳してんだ俺。
やめやめ。
人気の模範生徒があんなダサ子のコト考えてるなんてバカらしい。
不意に我に返って、窓の外に目をやった。