男子、恋をする
ヤバい……ハマる。
それは初めて音楽室で見た笑顔より、親しい人間の前で見せてたのよりずっと可愛い…………気がしなくもない。
多分メガネだな。
メガネがないから珍しいってだけで……。
また頭の中で言い訳。
「もう大丈夫そうだね」
精一杯冷静を装って、半分は溶けて氷水になったビニールを片付けようとベッドの傍から離れた。
このまま寿梨の顔を見てたらホントにハマってしまう気がしたから。
たかがメガネ外した顔くらいで動揺して……人気者の模範生徒が聞いて呆れるな。
氷水を流しながら、思わず溜め息が零れた。
「……あの」
「えっ?」
声を掛けられて後ろを向いたら、いつもみたいに俯いた寿梨の姿。