男子、恋をする
「昨日は……ありがとう」
なんて言って、また照れたみたいにはにかんで。
寿梨の笑顔が今日も見られるんだって……。
「っ!!」
ふっと寿梨の笑顔が頭に浮かんで、思わず慌てて頭をぶんぶん振った。
て……何考えてんだ俺!?
人気者の模範生徒な俺が、なんであんな地味ダサ子なんかに!
そう思いながらも実際顔を合わせたら……って期待は、目の前の寿梨のキョドキョドっぷりに粉砕した。
「ちょっとちょっとお二人さん? いつまでそうやってんの?」
「えっ?」
寿梨は視線を避けるように俯いたまま。
そんな寿梨をガン見で見つめている俺。
そして、一歩離れたところから見ていた三人は不審な目で俺を……。
「澪斗きゅ~ん、そんなに見つめちゃってムッツリなんだから~。やーらしぃ」
「あっ……あの」
一人だけ。
冷やかし混じりのにっこり笑顔を貼り付けた那津が、寿梨の肩を軽ーく抱いてしまう。
少し密着した那津に寿梨はかぱかぱと口を開けたり閉じたり……まるで池の鯉みたいだ。