男子、恋をする
「バ、バカ那津!」
「えー。秘密バレちゃったんだし、一個増えたって一緒っしょ?」
「数じゃなくて質の問題なのっ!」
「澪斗のケチケチ。だから童貞くんなんだよ。ねー?」
「絶対関係ない!」
ああ言えばこう言うで、いつもの調子で那津と言い合ってしまって数秒後。
自ら秘密を露呈してしまってるコトに気付き、慌てて口を噤んだ。
せっかく強引に口封じしたのに……。
自分に呆れて溜め息をついた時、
「…………っ」
気配が無さ過ぎて忘れてた当事者のダサ子が、口に手を当てて笑っていた。
それはさっきまでのオドオドした泣きそうな顔と違って……。
ほんの一瞬だけ、可愛いく見えてしまったバカな俺。
違う違う。
……神様は誰にでも一つは良い所を授けてくれてるんだ。
神様ってのは素晴らしい。
そういうコトだ。
一人頭の中で納得してみせた。