ばうんてぃ☆はうんど・vol.3~ほーんてっどほすぴたる《改訂版》
 ド素人ってわけでもねえが、プロでもねえ。ガンマニアのアマチュアって感じだ。
 やがて元入ってきたドアまでたどり着く。油断なく通路の先へM4のマズルを向けたまま、後ろ手でドアを開け、転がるように外へ出る。
 すばやくドアを閉め、すぐさまそこらに転がってた粗大ゴミ――棚だのストレッチャーだの――でドアをふさぐ。こんな密閉されたオペ室なんかでドンパチされたら、俺はともかく、気絶したまんまのあかりが危ねえ。
 すぐに、のんびり眠りこけてるあかりを手術台からひきずり下ろし、台の陰に隠れる。ドアの向こうで、男がドアをこじ開けようとしてやがるんだろう。ドカドカ蹴たぐり倒してる音が聞こえてくる。
 ドアをふさいだゴミどもが、少しずつ倒れてくる。ドアもちょっとずつ開いてきたようだ。蝶つがいが動く音がする。こじ開けられるのも時間の問題だろう。
「いい加減目え覚ませってんだ。面倒ばっかかけやがって」
 あかりの頭をどつくが、まるで目を覚ます気配はない。起こすのは諦めて銃を構え直し、ドアにマズルを向ける。
 さらにドアが開いてきたようだ。あと1分もつだろうか。いや30秒か? いずれにせよ、そう長くはない。
 遮蔽物のことを考えると、向こうは奥まった通路に続く壁。こっちは手術台。身を隠すには、投影面積が足りない。気絶してるあかりと2人で弾をしのぎきるのはかなりきつい。
 スタングレネードはもう無え。男が頭を出した瞬間に1発で仕留められれば良いが、撃ち合いになるとあかりが危険だ。
「なんでギャング退治が、インドアサバゲになっちまってんだよ……」
 なんて言いながらも、だいたい察しはついてきた。さっきのブザー音とロックが解除されるような音。あれはゲーム開始の合図か……。だがそれを確認するには、なんとかしてここから脱出しねえと。それにはとりあえず、目の前の敵を倒す必要がある。
 ついに男が部屋に入ってきたようだ。通路の陰から最初に見えたのは、MP5のシルエット。そして男が半身を出し、マズルをこちらに向けてきて――
 
ばがんっ!!
 
 一瞬、発砲音かとも思ったが違った。音が聞こえたのは、外に通じるドアの方。視線を向けると、今さっきまでふさがっていたドアが壊され、そこにデカイ斧を構えたディルクが立っていた。
「ディルク!」
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