空色


昔を思い出すコトをずっとさけてきた。

今までの僕なら、きっとこのライブには行かなかっただろう。

だけど、リズと別れて、前に進みだした僕に、何故だか神様は行けって言ってるような気がした。

胸騒ぎがして。

ふと頭をよぎったのは、今朝アパートの階段で、ただすれ違っただけの若いカップル。

顔だってまともに見ていない。

でも一瞬のすれ違いざまに、どこか懐かしい印象をうけた。

ただそれだけ…

急いでいたし。

何でそんな事今思い出したのかさえ、分からない。


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