空色


“…もういいの。始めから期待なんてしてなかったし。ってか、会えたら逆に奇跡でしょ。大丈夫、今からはちゃんとライブに集中する。もう忘れるよ、昨日1日付き合ってくれたライアンのおかげ。完全ふっきれたから!ありがとう☆”

あたしはそう言って、ライアンに微笑んでみせた。

ライアンはそんなあたしを抱きしめて、おでこにキスをおとす。

“おい、そこー。またイチャついてっけど、もう出番ですけど。”

ショージが呆れながらあたし達に叫ぶ。

あたし達は顔を見合わせて微笑み合った後、ステージへと走った。



マイクの前に立って、スポットらいとに照らされた瞬間、あたしの頭の中は真っ白になる。


歌の世界に浸ってる時が唯一、あの人の事を考えない時間…


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