空色
「すっげえキレーな色だね。空みてぇ。」
あたしの隣の席になった時、あいつはあたしの顔を最初じっと覗きこんだかと思ったら、そう言って微笑んだんだ。
アイツのビー玉みたいなグレーがかった不思議な色の瞳が、すいこまれそうなほどキレイだったから、あたしも目が離せなかった。
「ありがと。」
ほんの数秒見つめあった後、あたしは目をそらして冷たく言い放った。
誉めてくるのは、きっとマリカと仲良くしたいから。
コイツはあの香月レオなんだから。
あたしはそう思ってわざと冷たい態度をとったんだ。
「ねぇ、キミの名前は?隣の席だし、仲良くしようよ☆あと、同じ瞳の色が人と違うもんどおし?」
あたしの態度にもめげずに話しかけてくるヤツに、あたしは思ったんだ。
やっぱりマリカ狙いかって。
「別に同士じゃないから。あたしの両親は純日本人だし。」