空色
「それが何?どおしはどおしでしょ。ま、オレのは黒?茶?まぁそんなんも混ざってっから、変な色してっけど。かっけぇよな、空色。オレ空って好きなんだよ。アメリカの空ってさ、もっと青くてでけぇの!海の色とかさ、やべぇよ。これからキミの瞳見つめてよっかな、授業中とか☆」
「はぁ?あんた、バカ?」
じっと見つめてくる彼の視線が恥ずかしくて、あたしはロクに話したこともない相手にこんな失礼なこと言ったんだ。
ヤツは笑ってた。
「バカはキミの瞳をカラコンとか言っちゃってるヤツらでしょ。こんなキレーな深い色、一発で天然もんだって分かるよ。」
ニッて笑う彼に、鼻の奥がツンって痛かったけど、溢れてきそうになるものを必死でこらえた。
「…勝手に言ってれば?」
冷たく言い放たなきゃこらえてなんかいられないぐらい、彼の言葉はあたしの心の奥の何かに触れた。
「じゃ、勝手にしまーす♪名前拝見っ!」