不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第7節:紅と蒼の炎
校門を出ると、そこには、コウが強張った表情で仁王立ちしている。
女子高の前にそんな様子で立っているものだから、コウは、かなりの注目を浴びていた。
「あれ、山下くんじゃない?」
最初に気づいたのは、マイだった。
ミヤビとマイが、私を見る。
「・・・何よ?」
「いや、別にいいけど・・・あれ、早く何とかしないと警備員来ると思うよ。」
冷めた表情でミヤビが言う。
「・・・何で私が?」
「ねぇ、マイさん、山下くん、いい人だよ?」
マイも私を見る。
「はぁ~・・・わかったわよ。」
私は、しょうがなく、みんなの元を離れて、コウの元に行く。