不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-

「ねぇ~コウくんも一緒にケーキ食べに行こうよ。」



さくらと美咲が、いきなりコウの両腕に抱きつく。



「なっ!い、いかねぇ~よ!」



いきなりのことで、顔を真っ赤に紅潮させて、コウは、さくらと美咲を振りほどこうとする。



しかし、さくらと美咲は、しっかりとコウの腕に捕まって、離そうとしない。



「え~、いいじゃん。行こうよ。」



「ちょっと離せよ!・・・ルミ、なんとか言ってくれよ。」



コウが、私を見る。



「・・・コウが行きたいならいいんじゃない?」



さすがにさくらと美咲の手前、ついてくるなとは言えない。

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