不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
ケーキ屋についた頃には、すっかり空が雲に覆われて暗くなっていた。
私とミヤビとマイの後ろからは、コウが渋々、さくらと美咲に連れられてついてきていた。
ケーキ屋は、昨日とは違い、空いていた。
「今日は、お客さん、少ないみたいだね。」
ミヤビが、うれしそうに私とマイを見る。
「・・・そうだね。」
私は、ミヤビに答えてはおいたけど、心の中は、それどころではない。
店の中に入ると、すぐに店員が寄ってきた。
「いらっしゃ・・・・何しに来たんだよ?」
リョウは、すぐに私に気づいて無愛想な表情に変わる。