不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-


「何、騒いでるの、ルミ?」



私は、つい、興奮して、大きすぎる声を出してしまっていたのだ。



「あっ、な、なんでもないから、お母さん。」



私は、焦った様子で母親に声を掛けた。



「あら、お客さん?」



母親は、コウの姿に気付いて、玄関の外に出てきた。



「久しぶりです、おばさん。」



コウが、丁寧に私の母親に挨拶をした。



「・・・あっ、もしかして、コウちゃん?」



母親は、昔と違いすぎるコウの姿に最初、分からなかったみたいだが、すぐに気付いた様子だった。



「はい!」



コウは、元気よく笑顔で答えた。



「まあ、まあ、大きくなって・・・それに・・・。」



母親の視線が、コウの金髪の髪に向けられる。



「・・・おかしいですか?」



コウが、少し恥ずかしそうに頭をかく。



「ううん。・・・よく似合ってるわよ。」



母親は、笑顔だった。

< 127 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop