不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-


そのケーキ屋は、店の中でも食べれるし、持ち帰りもできるタイプのお店だった。


店内には、多くの女性のお客が溢れていた。


「席、あいてそう?」


ミヤビが、先頭の鳥井さくらに確かめる。


「・・・うん。大丈夫っぽいよ。」


私達は、ケーキ屋の店内に入って、席についた。


「どのケーキにしようかな♪」


私とミヤビは、すぐにテーブルにメニューを広げる。


「ねぇ、ミヤビ、これおいしそうだよ。」


「何言ってるのよ、ルミ。こっちの方がおいしそうでしょ。」


「・・・ミヤビとルミって何でここに来たか覚えてる?」


山田美咲が、あきれた表情で私とミヤビを見る。


「覚えてるわよ、失礼ね。ケーキ食べに来たに決まってるでしょ!」


当初の目的を忘れて、堂々と言い切るミヤビ。


「違うでしょ!」


ミヤビ以外の全員が一斉に突っ込む。

< 57 / 135 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop