不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
そのケーキ屋は、店の中でも食べれるし、持ち帰りもできるタイプのお店だった。
店内には、多くの女性のお客が溢れていた。
「席、あいてそう?」
ミヤビが、先頭の鳥井さくらに確かめる。
「・・・うん。大丈夫っぽいよ。」
私達は、ケーキ屋の店内に入って、席についた。
「どのケーキにしようかな♪」
私とミヤビは、すぐにテーブルにメニューを広げる。
「ねぇ、ミヤビ、これおいしそうだよ。」
「何言ってるのよ、ルミ。こっちの方がおいしそうでしょ。」
「・・・ミヤビとルミって何でここに来たか覚えてる?」
山田美咲が、あきれた表情で私とミヤビを見る。
「覚えてるわよ、失礼ね。ケーキ食べに来たに決まってるでしょ!」
当初の目的を忘れて、堂々と言い切るミヤビ。
「違うでしょ!」
ミヤビ以外の全員が一斉に突っ込む。