不思議の国のアイツ -暴走族総長純情伝-
第2節:蒼炎
「コウ!」
私がコウの話を聞いて呆然としているところに、ジュンが焦った様子で走ってきた。
「何だよ、ジュン?」
「蒼炎の奴らが乗り込んできやがった!」
「何!」
コウは、ジュンの言葉にどこかに飛び出していきそうになるが、私を見て、走り出すのをやめる。
「・・・チッ、ジュン、しょうがないから、お前が蒼炎の奴らがいる道と別の道でルミを安全な所に連れて行ってくれ。」
「・・・いいのか?」
「しょうがねぇだろ。総長の俺がこの場所から動くわけにはいかねぇ~んだから。」
「わかったよ。」
コウは、ムカついた表情をしている。
「どうしたの?」
私は、不安になり、コウを見る。