かわいい笑顔 ~恋した彼は高校生~
「陸くん…その人…この前の…」
青ざめた顔で、消えそうな声で陸くんに聞く沙織ちゃん。
「…あ…沙織ちゃん…」
「…あっ…えっと…やっぱり彼女…だったの?」
あんな風に甘いキスしてるところを見られて、違うなんて言える訳がない。
「うん…そうなんだ。ごめんね。なんか照れくさくて…この前は…」
陸くんは少し焦ってたけど、優しくはっきりと、
私を彼女だと伝えた。
「…話少し聞いちゃったの…。ごめんね、バカ兄貴のせいで…ごめんなさい!」
そう言うと、沙織ちゃんは走って行ってしまった…
「沙織ちゃん!」
後を追おうとした陸くんを止めた私は…
私に任せてという意味を込めて、胸を軽く2回叩いてみた。
そして、沙織ちゃんの後を追った。