反射
走って黒川に追いかけるとめんどくさそうな男に囲まれていた。数は10人。陰で見るのは・・・僕は駄目だと思う。
「ほっそいねえお嬢ちゃん。金目の物置いて行きな。そしたらその身体、折らずに済むんだがなあ」
「ありがとう、感謝するわ。でも置いてく物はないの」
「じゃああんたの身体を売らせて貰うわぁ!」
「・・・・・・」
よし、行くぞ。混乱に乗じて・・・
「来るなよ高井ィ! 死ぬぞ!」
黒川はこちらを凄まじい表情で振り向き腕からあの大きい鎌を取り出した。
気付いてたのか? てか、死ぬって大袈裟な。
鎌を取り出した黒川は周りの男共を鎌から出る衝撃波の様な物で吹き飛ばした。当たった奴らは腹を抑えてうずくまっている。赤く染みがついている。──・・・血、ですか。確かにこれは大袈裟では無いな。
「行くよ、高井。遅れる」
「あ、ああ・・・それにしても黒川、強いな」
「強いのはコイツ・・・あたしの能力は『収納』だけだからね」
「能力・・・?」
なんかSFチックな言葉が出てきたぞ。ここに来て初めて頭が混乱してる。