恋文~先生に贈る最後の言葉【完】
そして離任式。
講師だった先生はその日式に出ていましてね。
その日友達に先生が好きなことがばれたんです。
友達が言うには先生の視線が私に向いていたかららしいですよ。
気のせいですよね?
まぁ、その時は必死に否定したんですけどね。
でも視線が私に向いていたかもしれないと思っただけで私はすごく幸せな気持ちになりました。
でもその日先生は私と一言も会話しませんでしたね。
別れの握手すらしませんでした。
本当は離任式の日告白するつもりだったんですよ?
その式の1週間前まで。
でも、やめて良かったです。
それ以上傷つきたくなかったから。
でも、次の日でしたっけ?
私は先生と逢う約束みたいなのをしていたんですよね。
美術室の掃除の手伝いです。
でも先生はほとんど終わらせていましたね。
そして別れの時私は先生に手紙の入ったネクタイを渡しました。
先生は自然に手を前に差し出してくれてあれが最後の握手でしたね。
その日私は泣いて帰ったんですよ?
そしてその日、初めて先生からメールが来ましたね。
明日ネクタイつけてくれることも嬉しかったけどまた会う日までそう書いてあったことが私には嬉しかった。
でも次の日会ったんですよね。
違う先生に用があって印刷室に行ったら顧問と先生がいました。
その時はネクタイをつけているところは見れたけど先生とそのことを話すことはありませんでしたね。