恋文~先生に贈る最後の言葉【完】
そのあともいろいろありましたね。
お仕事の手伝いをしたり、2人きりの時間をすこしでも過ごせたことが本当に嬉しかったんです。
そして卒業式の日。
前日借りたペンを返すために職員室に行ったんです。
そのとき先生は違う場所に返すように指示をしましたね?
だから私は職員室を出ようとしたら「○○」と再び呼ばれました。
なんだろうと思っていくと「今までいろいろもらったから」そう言って手鏡をくれました。
あの時は嬉しくてしばらく手鏡を持っていました。
そのあともいろいろありましたね。
卒業式が終わった後、先生にアドレスを聞きに行くために一度降りた坂を登って行きました。
そのとき先生はほかの生徒と一緒で少し嫉妬した自分を覚えています。
でも、あのとき先生に書くものかしてと言われて嬉しかったですよ。
私にかくアドレスじゃないのにと思いながらも先生にカバンの中からペンを出してもらうことを喜んでいました。
そしてその日は赤ペンを貸したまま帰ったんですよね。
それで帰ってきたのは綺麗な赤ペンで、本当に感動したのを覚えています。
「だって○○のここ壊れてるけっちゃ」
その言葉も憶えています。