昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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「あれっ」

「…………」

「なんでおるん」


机のそばで横になりながら、ボリボリせんべい食べとるお母さん。

ウチを見上げると、口のはしに食べかすつけたまま不思議そうな顔をした。


「…今日帰るってメールしたやんか」

「え?…ああ、携帯の電池切れとるわ。充電めんどくさかってん」


…携帯どころか電話の意味なしてないやんか。



新学期。大学が始まってすぐの土日。久しぶりに、実家に帰った。

いっつも「たまには帰ってこい〜」ってゆうてくるくせに、帰ったら帰ったでこの仕打ちや。

見てみ、もう完全にテレビに意識移っとるから。娘の存在ムシや。


「…お父さんの工場、大丈夫なん」

「あー今月はなんとかなるんちゃうの」

「適当やな…」


被害をこうむるのは仕送りなくなる娘のウチなんですけども。

まぁ今月はなんとかなりそうやな…。なんとかなるんでやっていけるんかいな…。


ため息ついて、リビングから退散して物置部屋に入る。

勝手に押し入れガサゴソさぐっとったら、お母さんがやっとこっちに興味示してった。


「…なにしてんの」


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