昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜

左はじの写真。ウチとおんなじように浴衣着せられて、ニカーって笑てるかっちゃんの顔。

その手には半分食べかけのとうもろこし。


…次のページから、どのページの写真にもずっとかっちゃんの姿があった。


やんちゃそうな、生意気そうな顔。けど背は、ウチよりちっこくて。


「優子〜!浴衣あったで!!けどもしかしたらサイズちっさいかもしれん〜」


ドタドタ階段をかけ降りてくるお母さん。

ふすまを開かれる前に、あわててアルバムを押し入れの奥に放り込んだ。

…なんでやろ。べつに隠す理由なんてないのに。


「ほれ、白やで!お母さんが昔着とったやつ」

「…柄昔っぽくない?」

「なに言うとん!今はレトロが流行りやないの!!時代は巡り巡るねんで!」

「あーハイハイ…」


白地に控えめな朝顔が散らばった浴衣。

いかにも古風な清楚系女子にしか似合いませんよ〜なオーラやん。苦笑いで浴衣を受けとる。


「っていうかアンタ持って帰るんはエエけど着付け方わからんやろ?教えたろ……あーその前に1回サイズおうとるか着せたろか!!」

「あー……うん…」


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