昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


「おかえりぃー!」


部屋に戻ったら、かっちゃんと風間はもう帰ってた。

すっかりくつろいでテレビを見てる、浴衣男子二人。

二人とも見た目はエエ部類に入る男子やからなんか様になっとる。


…っていうかこの二人、ウマ合うんやろか。

まぁ風間は誰にでも合わせられる子やから大丈夫なんかもしれへんけど。


「おっ、浴衣やん!!」

「アンタらも浴衣やんけ」


ヒヒッて笑って、風間がウチとさくらちゃんに座布団を寄越してくれる。

さくらちゃんのほっぺたはまだピンクなままで、チーク塗ったみたいに火照ってる。


座布団にヒョコッと乗って、正座した。

ちょうど見えたかっちゃんのうなじ。

温泉で濡れたせいか、かっちゃんの髪はいつもより黒く光ってた。


…かっちゃんの浴衣姿見んの、小二ん時親戚で行った旅行以来かもしらん。

かっちゃんがお風呂上がってすぐ部屋走り回るから、追いかけて髪の毛拭いたったなぁ…。


「まさるくんアカンやんかぁ〜」

「え?」

「まだ髪濡れてんで?」


頭ん中で流れてた昔の映像がどっかに飛んだ。


かっちゃんの髪に、さくらちゃんの白い指が触れる。

ちょっとくすぐったそうに目を細めるかっちゃん。

さくらちゃんを下から見上げて、フッて笑う。


「…ワザとやし。さくらが拭いてくれるかなって思て」


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