昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
さくらちゃんを残して、先に脱衣所に出た。

ホカホカに火照った体から湯気がふんわり、白く立ち上る。


「はぁ……」


ため息一回だけついて、ほっぺたを両手で軽く叩いた。

気合い入れ直さなあかんって思って。


…なんかウダウダ中途半端な自分が、めっちゃ嫌や。

さくらちゃんはホンマにええ子やのに…ええ子やからこそ、後ろめたい気持ちでいっぱいになる。


後ろめたくて、でもどこかで嫉妬もしてんねんか。


うらやましいとか思てもてるねんか。


…ホンマ今の自分、めっちゃ嫌いや。


ウチが備え付けの浴衣に着替え終わっても、しばらくさくらちゃんは温泉から出てこんかった。

そん時のウチは、美人さんとかカワイコちゃんはお風呂が長いねんな…くらいにしか思てなくて。

やから。




…このあとに何が起こるかなんて、全く知る由もなかってん。















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