ヤクザと執事と私 【1の残り】


私が部屋に戻ると、真木ヒナタの病室の前に昨日と同じように大勢の組員がいた。


私は、自分の部屋に入るのをやめて、真木ヒナタの病室に入る。


病室には、組長と執事がいた。


「おう、小夜!どこ行ってたんだよ?」


病室に入るなり、組長が話しかけてきた。


「ポチさんの検査結果が今日でたので、聞きにいっていました。」


「そうですか、それで結果は?」


執事が私を見る。


「はい。残念ながら、健康だそうです。」


「そうですか、それは残念ですね。」


私と執事は、視線を合わせる。


「・・・何で残念なの?」


そんな私達を組長が不思議そうに見る。


「冗談ですよ。」


執事は、組長に笑いかけた。


「・・・いえ、私は本気ですけど・・・」


そんなことをつぶやいた私に執事が気づいた。

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