ヤクザと執事と私 【1の残り】
「何かあったのですか?」
「実は・・・」
私は、さっき医者から聞いた話を執事と組長に告げ口する。
「・・・最低だな。」
組長があきれ返って言う。
「ですよね!」
私は、組長に同意する。
しかし、執事は、特に気にした様子はなかった。
「ん?どうしたんだ、龍一。」
組長が、特に反応を示さない執事に聞いた。
「いえ、特に気にするような内容ではないと思いますが。」
「え~!だって、いきなり結婚してくださいですよ。」
興奮する私。
「確かにいきなり結婚してくださいは、相手に失礼ですが、私もこの病院に通うようになってから、すでに10人の看護士さんに告白されましたが。」
執事の言葉に驚愕する私と組長。
「え~!何だよ、それ!何でいつも龍一ばっかりモテるんだよ!すぐに暴力振るうし、冷たいし、こんな奴のどこがいいんだよ。俺の方が優しいし、絶対モテなきゃおかしいだろ?なぁ、小夜?」
組長が私をとんでもない形相で見つめてくる。
「・・・あの、組長・・・」
私は、言いにくそうに組長を見る。
「何だよ、小夜。はっきり言えよ。」
「性格が、組長の方が龍一さんよりいいなら・・・あとは顔しかないんですけど・・・」
「・・・・結局、顔かよ!」
悔しそうな組長。