ヤクザと執事と私 【1の残り】


「あれ?小夜じゃない?」


私は、不意に声を掛けられ、思わず反応してしまった。


「あっ奈津美!久しぶり。」


「どうしたの、急に学校来なくなって。」


「え~・・・と・・・」


「何、小夜の彼女か?」


会話に組長が入ってきた。


「えっ、違いますよ。何で女の子同士で付き合うんですか。・・・・あっ」


私は、最近の落ち着いた生活で少し気が抜けていたらしい。


思わず、言ってはいけないことが口から出てしまった。


「・・・女の子同士?」


組長が首をかしげる。


「やっぱり小夜って女なのか!」


そして、門の横にいたサブが、確信をもって叫んだ。


(終わっちゃった・・・)


私は、またしても幸せな状態から転げ落ちてしまった。



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